人生ベスト級映画『シンプル・シモン』
最近見た北欧映画『シンプル・シモン』の紹介です。
映画は、年に約100本見ますが、面白い!と思っても、
わざわざ記事として書こうと思うものは、ほんの一握りです。
直接的なネタバレは伏せますが、印象的だった点などをご紹介。
目次
あらすじ
アスペルガー症候群を抱えるSFオタクのシモンは、人とかかわることが苦手で、嫌なことがあると、ドラム缶製ロケットの中に閉じこもる。 シモンの兄であるサムはそんな彼とコミュニケーションをとれる数少ない人物だったが、サムの恋人はそんなシモンに嫌気がさしてサムのもとを去ってしまった。
兄を元気づけるべく、シモンは"完璧な恋人"を探すことにした。
予告
主人公シモンは、アスペルガー症候群を抱えている。
こだわりが強く、変化が嫌い。時間をきっちり守り、曜日ごとのルーティンワークをこなす。
映画の日には、2001年宇宙の旅を見ていた。
生活環境
北欧の景色と家具が良い。
彼は、切れ目のない形、円が好きである。
部屋・家から、色々な円形のものが目につく、皿・椅子・壁紙などだ。
人間関係
シモンは、人の表情を読み取ることが苦手。
家では、人の喜怒哀楽の表情の表がリビングに飾ってあり、人間関係の苦労が伺える。
人の顔を見た時、直感で感情を読み取るのではなく、記憶している表情(怒りの顔はこれ、悲しい顔はこれという要領で記憶)と相手の顔を比較して、感情を読み取っているようだった。
高福祉国家の北欧だからか、アスペルガーと公言しても、みんな「そうなんだ」と一言で終わらしてくれる。日本とは違い、多様性・個性を尊重してくれる国なのだろうか。
心に残った場面
家を出て行った兄の彼女に対し、シモンが、
「僕は変わらないけど、あなたは変えられるよ」
この一言はとてつもなく奥深い。
その理由を以下に示す。
理由 その1 人は悩みを誰しも抱え持つ
性別や容姿、アスペルガー、ADHD、発達障害、吃音、LGBTなどの生まれつきのものかもしれないし、人間関係や仕事、恋愛などの環境によるものかもしれない。
日本の傾向として、生まれつきの悩み、特にアスペルガーなどの症状に名前が付いているものは、
周りから受け入れられていないことが多く、カミングアウトしている人は少ないと思う。
理由 その2 悩みに対してのアプローチ
悩みに対してのアプローチは、2種類あると思う。
1つ目は、根本的にを解決する方法。これは、環境によるものに限られる。
先天性のものなどは難しいと言われている。長期的なアプローチ。
2つ目は、捉え方を変える方法。悩みは、生まれ持った「変えれないもの」と、
環境・行動による「変えれるもの」のに区別できる。短期的なアプローチ。
「変えれないもの」のせいにするのではなく、「変えれるもの」を変えていく。
万人が分かるように例えるなら、
不細工に生まれたからと言って、異性にモテないと嘆くのではなく、会話力や特技、センスなどを磨いたら、モテるようになった。不細工だったからこそ、会話力などが磨けたと思おうということだ。
(これは、悩みを個性にしようという開き直りとは全くの別物である。)
「僕は変わらないけど、あなたは変えられるよ」 という言葉から、
シモンは、周りに悩みを公言し、私はこういう人間だ。という自己開示を行い、
さらには、悩みの区別ができている状態だと言える。
シモンは、自分自身の生まれ持ったものは、「変えれない」ことを自覚している。
そして、 自分は変われないとずっと思っているし、変わろうともしていない。
物語がさらに展開していき、(詳細は、是非映画を見てください)
シモンの根幹の部分は変わっていないけれど、言動が変わっていき、
彼自身が少し変化し、映画が終わる。
アスペルガーという事実は、何も変わらない。
しかし、後半の兄への思いやりの行動が、周りを動かし、人間的に成長したのだ!
この映画を見て、DaiGoの本を思い出したので、最後に引用させてもらう。
(以下、『ポジティブ・ワード』著: DaiGo P38の引用)
おそらく、1人でいるのが好き、という私の性格の根本は変わっていないでしょう。
けれども、行動を変えると周りが自分の性格に対する評価を変えてくれるので、性格が変わった気がします。もちろん、人間関係のあり方は、確実に変わります。
感想ツイート
本日は、『シンプル・シモン』を鑑賞
— MCGF (@MCGF__k) March 10, 2019
兄と同居する、アスペルガーのシモンが、兄の彼女と関係が悪くなり破局
家を出て行った彼女に対し、シモンが
「僕は変わらないけど、あなたは変えられるよ」
と言ったのがグッときた
変わらないものは、変わらないままだが、何かが変わっていくお話#映画 pic.twitter.com/aH8RwBwJ7c
また、こういう深く心に突き刺さる、印象に残る映画に出会いたい。
間違いなく、再び見返したくなる映画です。
何かに悩んでいる人は見るべき作品!
ムーンライト、シャイプ・オブ・ウォーターが好きなら、好きになること間違いなし!
また記事でお会いしましょう!